
皆さまはどういった環境で寝ていますか?
ベッド?和布団?
人によっても違いますので一概にどちらじゃなければいけないと言う事はもちろんありません。それぞれにメリットはあります。
・ベッドのメリット…
布団を上げ下げする必要がない。
腰や足に負担がかかりにくく起き上がりやすい。
ほこりが届きにくい。
床の冷えが伝わりにくい。など…
・和布団のメリット…
移動が簡単で敷いたところで寝ることができる。
また、片付ければお部屋を広く使用することができる。など…
こうしてみるとベッドを置くスペースさえ確保できていればベッドの方が
メリットが多いような感じがします…
さて、そんなベッドが日本で一般に広く普及し始めたのは戦後になってからです。
世界では100年以上続いているベッドメーカーですが、日本で初めてのベッドメーカーは
1926年創業の『日本ベッド』です。創業時は「日本羽根工業社」と言って
洋式寝具のメーカーだったんですね。
その後国産で初めて連結式スプリングマットレスの商品化に成功し名実ともに
ベッドメーカーとなったのは1940年頃から。
以降戦後になってベッドが本格的に発売されていくわけですが、
当時はマットレススプリングの構造も今ほど技術や種類がなく、
畳に布団を敷いて寝ていた日本の習慣からか硬めのマットレスが主流でした。
現在では体の凹凸に合わせた支え方ができるようスプリングの硬さや構造、
ウレタンなどの詰め物によって各社多くの種類が作られています。
■まずはどんなマットレスブランドがあるのか?
それぞれのブランドに構造上の違いやこだわりがあります。
先に申し上げますとこういった症状の方にはこのブランドが良いと言い切ることは
難しいのですが、それぞれのブランドの魅力を知っていただいた上で
身体に合ったお好みの寝心地のものをおすすめしていきたいと思います。
・『シモンズ』 創業147年!世界初のマットレスを創出。ポケットコイルの生みの親。

シモンズは1870年アメリカ・ウィスコンシン州で生まれ、
ポケットコイルマットレスを世界で初めて商業化に成功しました。
世界トップクラスのシェアを獲得し、アメリカでは約6人に1人がシモンズのマットレスを
愛用しています。
ポケットコイルマットレスは現在ではマットレス構造の主流になっていますが、
一つ一つのスプリングが袋詰めにされていて独立して動くため身体の凹凸に合わせた
フィット感が得られるのが特徴です。

コイルに使われているスプリングの素材は新日鐵製の「超硬鋼線」という
ピアノ線と同等の高級素材を使用し、もともと弾性の強いコイルをさらに40%ほど
圧縮してポケットに入れることで、理想的な寝心地を生む弾性と高い耐久性を実現。
線径を1.7㎜、1.9㎜、2.1㎜と太さを変えることと、巻いているコイルの高さを変えることで
マットレス自体の硬さのバリエーションを調整しました。

マンダリン・オリエンタルやパレスホテルなどのラグジュアリーホテルで
採用されているのも、その寝心地の良さが評価されている証でしょう。
中でもウェスティンで使用されている「ヘブンリーベッド(雲の上の寝心地のベッド)」は
シモンズのゴールデンバリューピロートップシリーズがベースになっています。
アメリカのメーカーではありますが、日本で販売されているシモンズのマットレスは
実は日本製で静岡の工場で製造されています。日本人の好みに合った硬めの寝心地の
マットレスをラインナップしているのも特徴ですね。
・『シーリー』 創業136年!整形外科医協力のもと科学的視点から 心地よい睡眠にアプローチ

シーリーは1881年アメリカ・テキサス州で創業。
業界に先駆けて整形外科医と連携を図り、手で触ってみて寝心地が良さそうだ
という曖昧な感覚だけでなく、実際に身体を横たえた時の本物の快適さを追求し
「ポスチャーテックコイル(米国特許取得)」を開発しました。

ポスチャーテックコイル
ポスチャーテックコイルとは、どんな体型や体重の人にも常に理想の 寝姿勢をサポートするというコイルで、身体の凹凸や体圧にあわせて 反発力が変化するシーリーのベーシックモデルで、その秘密は独特の コイルの形状にあります。コイルの巻きの始点(センサリーアーム)に 微妙な角度をつけることで、荷重が増えるにつれて反発力が増大。 身体の軽い部分は浅い沈みで支え、重い部分には深い反発力で持ち上げる。一人ひとりの異なる体圧を感知し、各部位に最適な反発力を生み出すことで、体型や体重差に関わらずつねに理想の寝姿勢を提供します。
一つ一つのコイルが連結して作られていて面で支える構造なのに、
コイルの円が結ばれておらず切り離した形状であるためポケットコイルのように
しなやかに曲線を描く点で支える柔軟性を持っていることも大きな特徴ですね。
こちらもシモンズと同じようにザ・リッツ・カールトンやフォーシーズンズなどの
ラグジュアリーホテルで採用されております。
・『サータ』 創業86年7年連続全米ベッドシェアランキング売上NO.1の実績。

サータのマットレスは独自開発素材を使ったポケットコイルを採用。
「マットレスに必要な硬さ」と「人体に感じるソフト感」といった相反する2つの要素を
両立させ、巧みにまとめあげた“ソフトタッチの硬いマットレス”が特徴です。
コイルに使用している線材は、SWRH82B-Cという最高級品を使用していて、
一般的なワイヤーと比べカーボンの含有量が通常0.4%のところ0.82%と高く、
硬度が出てへたりにくくなっています。ただ硬いだけでは脆いので、マンガンを入れて
粘り気を出しています。
さらに不織布製の袋に入れる時点で、スプリングコイルの高さを約25%圧縮
(195㎜⇒145㎜)することにより、強度や耐久性をさらに向上させています。
マットレスへの荷重のかかる度合いに応じて1.9㎜と2.0㎜の2つの異なる太さ(線径)の
ポケットコイルを使用していて、ゾーニングによって一番荷重のかかる腰・臀部に
少し太めの線径2.0㎜のポケットコイルを配置し補強することで、バランスの良い荷重分散と
耐久性の向上を実現しています。

さらに、腰掛けるケースの多い両サイド2列にも線径2.0㎜のコイルを配列して補強し、
腰掛けた時の落ち込みを防いでいます。
業界初の難燃繊維「ファイヤーブロッカー」を採用したのも大きな特徴で、
非常に難燃性の高い素材を使用することにより、避難時間を確保出来るようにしています。
詰物に特殊なジェルを組み込んだ「Gel Memory Foam(ジェルメモリーフォーム)」を
搭載した「iSeries(アイ・シリーズ)」が非常に好評で2017年現在7年連続全米売上NO.1
マットレスブランドとなりました。
日本国内のサータ製品は広島のドリームベッドがライセンス契約で製造しています。
・『日本ベッド』 創業91年!日本で初めてのベッドメーカー。

超高密度構造「シルキーポケットマットレス」

このマットレスの大きな特徴は、ひとつひとつのポケットコイルを小さく作って
数を増やしている所です。その数シングルサイズで約1200個!(一般的には400~600くらい)
ただ小さくするだけでは硬いスプリングになってしまうので針金を細くして
数を増やしています。例えば小石を敷き詰めた上に横たわるのと、砂を敷き詰めた上に
横たわるようなもの。両者では体への負担やフィット感は大きく違うはず。
その中でもシルキーポケットマットレスは針金の線径をØ1.2㎜、1.3㎜、1.4㎜と
3種類にすることで3つの硬さから選べるようにしています。
ハードは体格のしっかりした人に、レギュラーは最も標準的な寝心地、
ソフトは横向き寝をされる人におすすめの硬さになっています。
こちらも帝国ホテル、ザ・リッツ・カールトンなどのラグジュアリーホテルや
迎賓館に採用されております。
いかがでしたでしょうか?
まずはスプリングを使用したマットレスブランドを紹介させていただきました。
富士家具では3Fのベッドギャラリーにこれらのブランドマットレスを寝比べていただけるよう
たくさん展示しております。
メモリーフォーム(低反発ウレタン)やラテックスなどスプリングを使用しない
マットレスブランドもありますので次の機会にご紹介させていただきますね。
富士家具工業株式会社
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